【第30回】「同じヨーグルトを食べ続けると腸が慣れる」って本当?菌を変えるべきかの真実

「ヨーグルト菌は時々変えたほうがいいと聞きました」── 巷でよく耳にするこの噂、果たして本当なのでしょうか?定期便でずっと同じ神グルトを食べ続けても大丈夫なのか、がん専門医からヨーグルト屋になった林が医学的な視点でスッキリ解説します。「菌と腸の本当の関係」が分かれば、日々の腸活がもっとシンプルで楽になりますよ!


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📖今週のよりぬき

・創業から8年。「よく我慢しましたね」

・がんにさまざまな角度からアプローチしてきた人生

・大人が“腸活”でできること

・菌が生きたまま届く=重要ではない!

・薬やサプリを飲み続けると、耐性ができるってホント?


📖第30回テキスト版


外科、内視鏡などの医師、教師……
さまざまな顔を持つ理由

早川:今日も神ラジやってまいりました。めでたく第30回です。先生、唐突ですが、今まで見てきた患者さんの数とか手術の回数とか、先生にまつわるメモリアルな数字って何かありますか?


林:そういうこと、考えたこともないですね。全然(笑)。


早川:出てこなかったらそれがまた先生のパーソナリティのように感じます。つまり、続けることに意識が向いていて、回数とかは気にしない、というか。


林:それはそうですね。最近ビジネスで知り合う方に神楽坂乳業について「8年間もよく我慢しましたね」とよく言われるんです。「全くの素人だから我慢できたんだと思います」とかって言われて。ベンチャーの人だったら、3〜4年目あたりで「これは無理だ」と諦めるんじゃないか、と。言われてみれば確かにそうだと思います。今も極貧生活を自慢するくらいだし(笑)、普通じゃとっくに撤退していますよね。

ただ、若い人の世話にならない、元気な高齢者は働いて税金を納めて若い人を支えよう、みたいな活動をしたいという思いから、年金はもらわないと宣言していたんですよ。でも……もらっちゃいました。


早川:まあ、それは受け取る権利がありますから。


林:どうしても暮らしがきつくなってきて。当然年金のお金も自分で使うわけじゃなく、工場の支払いなんかに充てているので、全部足りるわけじゃないんですけどね。

この8年間、神楽坂乳業から収入はなく、支出だけがある状態でやってきました。でも、まっすぐ行くしかないという性格はプラスに出てきたと思っていて。諦めなかったから色々できたことも多いし、常識にとらわれないというのも大きいかな。

それから、医師としては外科、内視鏡、抗がん剤、緩和ケアと、一つに絞らずにいろいろやってきたんだけど、これって医者の世界では珍しいんですよね。普通は消化器外科になったら一生消化器外科医で終わる、というのが当たり前です。でも私は、すぐに治らなかったら別の手段で治せばいいんじゃないかと思ってしまうんですよ。それで内視鏡をやったり、抗がん剤をやったり、緩和ケアまでやってしまった。奥さんに「あんたは何でもやってるように見えるけど、全部中途半端なんだよ」と言われたこともあります(苦笑)。


早川:でも、それってすごいことですよ。


林:一つのことを真剣にやっている人からすると、こういう動き方は我ながらイライラすると思いますよ。でも、がんに向き合うという根幹は変わらないわけです。それで、啓発が大人に通じないなら子供に伝えようと思って、前に番組でも話した通り3年かけて教員免許をとったりもしました。

振り返ると、教員免許は今まで努力した中で1番コストパフォーマンスが良かったんじゃないかと思います。あの経験が今の成功体験につながっているんですよ。


早川:今日初めて聞いてくださっている方に補足すると、その経緯というのは?


林:がんの啓発活動をやっていく中で、大人にいくら話しかけても聞いてもらえない。ネットでやればアンチしかつかない。そこで、大人に伝えるのが難しいなら子供に教えればいいと思って、学校で教え始めようと思ったのです。でもそれを全国に広げるには、文科省に働きかけてもなかなか難しくて。そこで発想を変えて、自分が教員の仲間入りをすればいいんだと思い、教員免許を取ったらうまくいくようになった、という話です。


早川:さらっとおっしゃいましたけど、がん専門医として猛烈に忙しい中で、教員免許まで取ったんですよね。レポートも、スクーリングもある通信大学で。


林:取る時は当然それなりに負担がかかりますよ。ただ言い換えれば、がんの専門医としての仕事が「おざなり」になっているんじゃないかと言われれば、そうかもしれない。

でも私の中では、がんという目標に向かっていろんな角度からアプローチしているという感覚です。今の神楽坂乳業だってそうで、ヨーグルトも会社も私にとっては手段であって目標ではない。病院の中では解決できなかった患者さんの就労問題とかを外で解決しようと思って大学を辞めた、ということなんですよね。マイナスな面もあるけれど、それが自分らしさでもあると思っています。


大人の腸活は、腸内フローラを
若い頃に戻すためのアクション

【ご質問】

ヨーグルト菌は時々変えた方が良いと聞きましたが、定期購入だと同一のヨーグルト菌でいいのでしょうか?


林:まずそもそも、何のために腸活をするのか、というところからお話しした方がいいかな。私の考えでは、大人の腸活というのは「何かいい菌を取り入れて自分のものにする」活動ではなくて、「自分が10代くらいの頃に持っていた腸内環境に戻す」ことが目標なんです。


早川:腸内フローラを若い頃の状態に戻す、ということですね。


林:そのイメージを川で例えると——川=腸です。川はずっと流れています。生まれた時は澄んだ水が流れていて、子どもの頃はせせらぎのように清らかな水が流れている。その川岸には色とりどりの花畑が広がっている。その花が腸内フローラです。

でも歳を取ったり、化学物質やストレスが加わると、川の流れが少し滞って淀んでくる。川が濁ってくると、河岸の花も元気がなくなって枯れてしまったり、雑草が生えてきたりする。それがフローラの乱れた状態です。


早川:そのイメージ、すごく分かりやすいですね。で、腸活の目標はその川を元に戻すことだと。


林:菌の餌と共に菌を流し込みながら、まず淀んだ川を流す。それをしばらく続けると、絶滅したかと思っていた昔の花がまた芽吹いてきて、花畑が広がってくる。それが理想の状態です。だから「他人のいい菌を取り込んで自分のものにする」という腸活の方向性は、少し違うと思っているんですよね。


早川:生まれてからだんだん悪化してくるというのは、どんな人でも同じなんですか?


林:そこもちょっと違うんだよね。

実は生まれてから3〜4歳くらいまでは悪玉菌が誰の腸内にもいるんですよ。それがローティーンくらいまでには消えていく。

この悪玉菌はどこから来たかというと、最初に産道を通ってお母さんと接触することで、産道にいた悪玉菌や、あるいは出産の時に肛門付近の菌がくっついてしまって入ってくるものです。でも人間には免疫というすばらしいシステムがあるので、3〜4年かけて赤ちゃんはその悪玉菌を退治して、自分の腸内フローラを完成させていくんです。

だから、大人になってから他人のいい菌を入れても、それはあくまで「異物」なんですよね。自分の腸内環境は赤ちゃんの時にほぼ完成している。腸活はそこに戻す作業、という感じです。そのためにはどうすればいいか。餌と共に、菌が生きていられる川=腸にするしかないわけです。神グルトの菌は整腸剤に使われる菌で、生きたまま腸に届くんだけれど、生きたまま届くことが重要なわけではありません。川の流れをきれいにしておくことが重要です。


早川:そう考えると、ヨーグルトの菌を変える必要はないということになりますか?


林:変える必要はないと思います。変えたところで、その菌が自分に定着するわけじゃないので。ただ、今のヨーグルトを食べてどうも合わないとか、別のものを食べたらこっちの方がフィットする、ということがあれば変えてもいい。でも合っているなら、そのままずっと続けていいと思います。


早川:せっかくなので関連して聞きたいんですが、薬やサプリをずっと同じものを飲み続けると慣れてくる、耐性ができる、という話を聞くことがあります。これはどう考えればいいですか?


林:薬剤耐性というのはそれだけで一つの大きな学問で、メカニズムも様々なんですよ。たとえばずっと使い続けると、薬を体の外に出す働きが強くなったり、薬が作用する受容体の構造が変わったりすることがあります。

ただ、サプリについて。これは健康に関心のある方がよく陥る「何かが欠乏しているから補う」という発想が正解だと思っているところに、大きな落とし穴があると思っています。

たとえば血液検査で貧血が見つかったとして、赤血球が足りないから輸血しましょう、というのは医者的には緊急避難にすぎないんですよ。なぜ貧血になっているのかを考えるのが先で、どこかに出血しているのか、血液を作る細胞に問題があるのか、そこを見ないといけない。


早川:数値が低いからそれを補う、という考えが間違いということですよね。


林:その数値はあくまで結果であることが多いんです。上流に何があるかを考えずに、補っても意味がない。

たとえば鉄不足による鉄欠乏性貧血であれば鉄を補えば改善しますから、間違いではありません。でも、医療の世界ではそうじゃないケースの方が多い。健康診断の1週間前だけお酒をやめたら数値が下がった、というのと同じレベルの話になってしまうことがあるんですよね。サプリに頼る前に、なぜその数値になっているのかを考える、あるいは信頼できる先生に相談する、ということが大切だと思います。

早川:最後に改めて、クラウドファンディングについてお知らせをお願いします。


林:今回のクラファンは、5月いっぱいくらいまでかけてやろうと思っています。私ががんの専門医になるきっかけになったのは大好きだった父親ががんで亡くなったことで、ちょうど今年の5月がその50年目にあたります。神楽坂乳業も8年経って、よちよち歩きだったのがようやく独り立ちできるかもしれないところまで来た。こっから先、本来のミッションを実現できる道に向かっていく、そういう思いも込めてのクラウドファンディングです。


早川:新商品の神グルト プレーンもここで登場するんですよね。


林:単にオリゴ糖を抜いただけじゃなくて、作り方も全部変えないとできないヨーグルトです。甘みがどうしても苦手な方、糖尿病の方、お料理に使いたい方など、選択肢が広がることで今まで手が届かなかった方にも届けられると思っています。ぜひ試してみてください。

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