【第20回】砂糖や添加物って、本当に体に悪いの?

「なぜ砂糖や添加物を気にする人が多いのでしょうか? 健康的に生活するために、何に気をつければいいのか全く知識がないので教えていただきたいです」というリスナーの質問に、消化器外科医として多くの患者を診てきた林が基礎からお答えします。


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📝今週のよりぬき

・すべての糖が体に悪いのか?

・増えつつある「太ってないのに脂肪肝」

・原因は〇〇飲料!?

・肝臓は無茶に耐えてしまう「沈黙の臓器」

・健康的な生活をどこまで意識すべき?

・条件◎な乳酸菌を含んでいる神グルト


😱知らず知らずのうちに
糖を摂取していませんか?

早川 この神グルトラジオも、今回で20回目。今回も、ご質問をいただいています。


【ご質問】添加物を気にされたり、お砂糖について気にする方が多くいらっしゃるのはなぜなのでしょうか? 健康な生活を送るために何を気をつけるべきなのか、全く知識がないので教えていただきたいです。(千葉県・おこげちゃんさん)


 食品添加物って「法的に認可されているから安全」というロジックもあるし、身体にとって毒である添加物もあります。あるいは、砂糖みたいに添加物と表示されてないけど、食品そのものが食べ方や食べ過ぎによって体に害をもたらすものもある。砂糖なんて、食べ過ぎたら絶対高血糖になりますからね。良くないに決まっています。


早川 そうですね。


林 でも、砂糖と言っても、糖類ってたくさんありますよね。自分の体内で分解して利用できるものを糖類と呼びます。前にも言ったけど、炭水化物は糖類と食物繊維に分かれます。

生物細胞レベルで有効利用される糖が、グルコースというものです。たとえばオリゴ糖は、グルコースが結合する構造になっていてそのために消化しにくくなっている、だからカロリーが低い。その構造ゆえに腸内細菌の餌になっている、みたいな話があったりします。

いろいろ言いましたが、こういうことがあるので、一口に砂糖が悪いとも言い切れないんです。


早川 なるほど。


林 私は消化器の医者でもあるので、今も患者さんを週1回ぐらい見てますけれども、よくエコー検査をするんですね。最近目立つのが、30代、40代ぐらいで、見た目も若いし元気そうで、決して太ってない方。そういう方にエコーを当てると、肝臓が最初に大きく見えるんです。「えっ、脂肪肝じゃん」と。


早川 ぱっと見、そうは見えない体型なのに……。


林 そうなんです。30年くらい前の脂肪肝のイメージって、でっぷり太った中年のおじ様で、大酒飲み。そうなると「これは脂肪肝かもしれないな」と。

でも最近は、結構鍛えていそうな体の方でも、エコーを当てて、ぎょっとすることが多い。その方たちに共通して多いのが、加糖飲料を毎日大量に飲んでる人なんですよね。


早川 ああ〜。


林 私が一番聞くのが、缶コーヒー。外回りとか外での仕事をしている方なんかだと、自販機で買って、1日5本は飲んじゃってます、みたいな。


早川 結構な糖の量になりそうですね。


林 それから、診察の中でいろいろ訊いていくと、加糖飲料は飲んでいないけれど「果汁100%のジュース」を飲んでいる方が結構いる。


早川 ああ、それは……。


 皆さん「果糖だから体にいいんでしょう」という考えなんだけど、それは違う。果糖は構造的にはすぐ分解されて、すぐに血糖値が上がりますから。


早川 たとえばジュースをよく飲んでいる方でも、太っていない方もいらっしゃるわけじゃないですか。それって、どうしてでしょう。


 たぶん、肝臓がかなり無理して稼働している状態だと思うんですよね。相当消耗していくんじゃないかな。若い頃は何とかなるけど、年齢を重ねると肝臓の能力も当然落ちてきます。肝臓は「沈黙の臓器」とも言われているんですね。


早川 聞いたことがあります。


 それだけ、ものすごく我慢強いわけです。無茶な食生活でも若い頃は体型にも出ず、健康で耐えられるのは、肝臓が無理して我慢しながら稼働してくれているから。

でも年齢とともに能力が落ちてくると、食生活にかかわらず肝臓の老化は進む。おまけに食生活まで悪いとだんだん障害が出て、脂肪肝になったり、肝硬変になったりしていくんです。


早川 そういうことなんですね……。

ちなみに、先生が考える「老化しづらい臓器」ってあるんですか?


林 完全に老化しない臓器ってのはないと思いますけどね。脳なんかは「20歳頃から毎日10万個ぐらい神経細胞が死ぬ」みたいな話もありますし。

老化しないということではないけど、中でも心臓は頑張ってると思います。

止まったら困るので、動き続けているわけですから。

そして心臓の筋肉の細胞や神経の細胞って、ほとんど分裂しません。他の臓器はどれも細胞分裂して、常に新しいものに入れ替わってるけれど、心臓と神経の細胞は基本的に再生しない。だから脳梗塞や心筋梗塞になったら、戻らない。


早川 そういう意味で、頑張っている臓器といえますね。


🏃どこまで健康に気を遣って
生活すればいいの?

早川 僕らはどこまで、健康的な生活を意識していくべきなんでしょうね。


 世の中に広まっている健康情報は、断片的に見ると正しかったりするんですよね。でもそれが生活の中で本質的なことなのか、というと、そうでもない気がします。

たとえばひと昔前「焦げたところを食べるとがんになるから」って情報が広まって、お魚の皮を剥いで食べる人が結構いましたよね。たしかに焦げに含まれてる化学物質は発がん性があったりするけれど、毎日トラック一杯分食べたら危険、というだけなので、別に食べたってどうってことないわけです。

神経質に生活を律して、毎日体の成分を測定してコントロールしても、200歳まで元気で生きられるわけじゃない。細胞の寿命、個体の寿命は、生活習慣で簡単にコントロールできるものではありません。


早川 それに、仮に極限まで生活を律していたら、自分の神経が参ったり、人間関係が崩れたりしちゃいそうですよね。


林 そうですよ。

そもそも長生きしたい気持ちはあっても「200年生きて幸せか?」って問題もある。誰も知り合いがいなくなるし、自分の子どもたちも死んでいく中で、って考えるとね。

そんな風にいろいろ考えていくと、とにかくまずは元気よく過ごす、っていうのが大事だと思うわけです。


早川 いやあ、その通りだと思います。


 最近「アルコールは1滴でも体に悪いことが分かりました」という意見も耳にします。でも、85歳のおじいちゃまが「他にやることがなくて、晩酌だけが楽しみなんだよ」と言うのに、アルコールを禁止する意味があるかというと、そうは言い切れないですよ。

それと同じで、若かったとしても、体に悪いと言われる食品をどうしても食べたいのに禁止する意味があるのか。厳格にセーブして、なんの効果が出るのか。

……そう考えると「基本的に日本食を食べています」ぐらいでいいんじゃないかな、っていうのが個人的な考え方ですけどね。


早川 余談ですけど、僕は血糖値を一時期こだわりまくっていて。本来は糖尿病の方向けの機械で測定して、常に80〜120に収まるようにしていたんです。今思えば、食事を用意してくれていた妻には申し訳ないことをしたんですが……。

でも結局、今はやめたんですよ。ストレスなんかで上がってしまうこともありますし。気にするのをやめたら、むしろ血糖値が安定しました。


 血糖値ってアドレナリンが出たら上がったりもしますからね。


早川 何が正しいかって、難しいな……。


林 命をどう考えるかによって、正しさは変化しますからね。

私が医師として扱ってきた抗がん剤治療なんかもそうです。「副作用で苦しい思いをすれば半年長生きできる可能性があります」って、治療するかしないかの正解はない。その方の人生、倫理観、歴史を全部考えて、本人に判断していただくしかない。家族が決めるのも、またおかしな話ですから。


🐮教えて!神グルト
「神グルトにはどんな乳酸菌が入ってる?」


林 そもそも乳酸菌は何百種類もあるんですが、商品に入れるとして一番重要なのは、安全であることです。

それから、できれば体に良さそうな効果があること。その上で、供給する時に品質が一定に保たれること。購入したとしても、中の菌の数が5倍だったり、1.0倍だったり、1/10だったりしたら困るわけです。

たとえば、ブルガリアのなんとか村のヨーグルトに使われている菌がいいんじゃないかと思って取り寄せて使ってみたこともあるけれど、確かに美味しい。しかし安定した品質でいつでも手に入るのか? と言ったら、入らない。


早川 空輸だとハードルが高そうですよね。


林 安全性、効果、安定供給、品質の担保……。ヨーグルトに含む乳酸菌は、そういういくつもの重要な条件を満たすものでなければならないと考えた時に、思い浮かんだのが「薬」なんですよ。


早川 薬、ですか?


林 そう。皆さんが普段使ってる整腸剤の多くは、乳酸菌やビフィズス菌だったりするんですが、薬として食品よりもとんでもなく厳格な安全性試験が行われているんです。万が一にも死に至るような副作用があった瞬間から、その製薬会社は潰れますから、口に入るものが体に害になるなんてことは、絶対あってはならない。

だから、整腸剤をなんとかヨーグルトに組み込めないかと考えました。実際に神グルトに入っている菌は、実は製薬会社から購入しているんです。


早川 それは、先生が医師としてのバックグラウンドがあったからこそ、辿り着いた選択肢だったわけですよね。


林 そうなんです。

数ある中でどの菌がいいとか、どの菌同士の組み合わせがいいとかは、試行錯誤の連続の中で見つけたことですけどね。

2年くらい試行錯誤したんですが、美味しいだけのヨーグルトなら、もっと早くに作れたと思います。それでも、効果も追求して、偶然今の神グルトが出来上がりました。


早川 そうだったんですね。

話は派生しますが、僕、気に入ってるシャンプーがあって、何度か買っていたんです。そうしたらある時、突然香りの強さが変わってしまって。確認すると、どうやら成分が変わったみたいなんです。今回の先生の話を聞いて、安定供給の大事さを考えさせられました。


 そうそう、安定供給って、案外難しい。けれど、大事なことですからね。(了)

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